ERP5 への道 — 導入編2

はじめに

本稿は Mandriva のインストールを解説した「導入編1」に続いて、ERP5 のインストール手順を記述する。ERP5 はアプリケーションフレームワークとして Zope を利用しており、またその Zope は Python で記述されている。現在、Python のバージョンは 2.6 が主流だが、すでに 3.0.1 もリリースされていて 2.x 系から 3.x 系への移行が始まっている状況にある。ところが Zope 2.x の動作には Python 2.3 や 2.4 が必要となっている。Zope の開発が止まっているわけではないのだが、極めて慎重にプロジェクトを進めていることによるものと思われる。

実は数年前に Zope/Plone を評価しようとしたのだが、その時も Zope が Python の最新バージョンに対応しておらず、それだけで面倒になって放り出してしまった経験がある。コンパイル時の config オプション指定によって複数バージョンの Python を共存させることが可能であることは、だいぶ後になってから知った。それが可能になったとはいえ、複数バージョンの言語処理系を同時に維持管理することに対しては消極的になってしまう。

今回は Zope に加えて ERP5 もインストールしなければならない。どうなることかと思ったが、幸いなことに ERP5 Community が Zope/Python/ERP5 を一括してパッケージしたものを配布してくれている。これを使えば何の苦労もせずに ERP5 の環境が出来上がる。このパッケージが Mandriva 用にメンテナンスと配布が行われているため、導入編1のような苦労をしても Mandriva をインストールする必要があった。

RPM パッケージを使ったインストール

Mandriva 環境で ERP5 インストールする手順はhttp://www.erp5.org/DownloadRpm に詳しく記述されており、それに従って作業を進めればまず問題はないはず。基本的に RPM を取ってくるリポジトリを指定し、続いてインストールということになるが、Mandriva ではこれらの作業に urpmi というコマンドを使う。自分にはあまり馴染みのないコマンドだったが、CentOS などで使う yum コマンドと同じようなものである。

まずはリポジトリの指定。ここで 2009.1 の部分は Mandriva のバージョンと合わせる必要があるはずなので、Mandriva の版が変わったときは、こちらの指定も変えることになると思う。

urpmi.addmedia –update nexedi http://www.nexedi.org/static/mandrivalinux/2009.1/i586/
urpmi.addmedia –distrib –mirrorlist ‘http://api.mandriva.com/mirrors/basic.2009.1.i586.list’

続いて RPM パッケージのインストール指定。このコマンドを実行すると依存関係によって、70 近い数のパッケージがインストールされる。

urpmi task-erp5
urpmi task-erp5-devel

これで必要なパッケージ群がようやく揃った。

Zope/ERP5 の起動

ERP5 を起動する前に ERP5 (or Zope)専用のアカウントを登録する。

/usr/bin/zopectl-erp5 adduser [user_name] [password]

今回のインストール作業では、ここで大量のワーニングが表示されてしまったが、とりあえず無視して進んでしまっても問題は無いように見えた。しかし、今後 Zope/ERP5 を触ってもう少し状況が分かってきたら、きちんと対処する必要が出てくるのかもしれない。
また、ここで登録したアカウントは ERP5 のものなのか Zope のものなのか、現時点では理解できていないのだが、コマンドから類推すると Zope を統合した ERP5 を稼働させるというイメージなのだろう。

最後に ERP5 の起動コマンドを実行する。今回のインストール作業でどうなっているか確認していないが、/etc/rc.d にスクリプトを追加すれば、OS 起動時に ERP5 が自動的に立ち上がるようにできるのは、他のサービスの取扱いとまったく同じ。

/etc/init.d/erp5 start

Zope/ERP5 アプリケーションサーバのデフォルト画面には、localhost のポート 9080 にアクセスすれば良い。また、/manage にアクセスしてから、前述で登録したアカウントで認証を受ければ、管理用の画面にたどり着ける。

localhost:9080
localhost:9080/manage

これでやっと ERP5 を触れる状態になった。ここまで到達するのに時間と労力が必要だったが、実は TioLive という SaaS 型の ERP5 サービスを無償で試せたり、即 ERP5 が立ち上がる LiveCD が配布されているので、これらを利用したほうが ERP5 への近道かもしれない。