2011年 新聞・テレビ消滅
「2011年 新聞・テレビ消滅」(佐々木俊尚 著、文春新書)を読了。インターネットを媒介とする新しいメディアの出現で、旧来のマスメディアは根本的な構造の変革をしない限り生き残れないことを、何度も書き続けていた著者の論考を改めてまとめている。自分はマスメディアの内情を知っているわけではないが、本書で述べられている内容についてはまったくその通りだと思う。特に印象的だったのが、「コンテンツ・コンテナ・コンベア」の話だ。新聞であれば記事がコンテンツであり、コンテナが新聞紙、コンベアが販売店システムということになる。この考えはソフトウェア産業にも当てはまりそうな気がした。これまでのプロダクト型からサービス型にシステムが移行することで、システムのフレームワーク(=コンテナ)とネットワーク(=コンベア)部分のコストと技術的な障壁が低くなる一方で、コンテンツが相対的に重要となってくると考えれば、マスメディアに対する「コンテンツ・コンテナ・コンベア」論と同様の視点で、ソフトウェア産業も捉えられそうな気がする。
目次は以下の通り。
第1章 マスの時代は終わった
第2章 新聞の敗戦
第3章 さあ、次はテレビの番だ
第4章 プラットフォーム戦争が幕を開ける